治療手段
綿花を利用する班目式間接灸:古くて新しい治療
お灸は古代中国で始まった治療です。中国では重要視されなかったようで、日本で独自の発展を遂げた治療法です。お灸で心配なのはヤケドです。肌に直接据えるやり方では上手にお灸しないとヤケドします。しかし、綿花を利用する班目(まだらめ)式間接灸ならばヤケドする可能性は、ほぼ無くなります。肌に直接据えるお灸では顔面を刺激することは禁忌とされてきました。綿花を利用する班目式間接灸ならば顔面を含め、全身を刺激することが可能になりました。
注射の針を利用する刺絡:狭義の自律神経免疫治療
自律神経のバランスを調整するためにかつては刺絡が最も効果的な治療手段でした。27ゲージの注射の針を利用してチクチクと刺激します。注射の針は深く刺すのではなく、体表面を針先で叩くように刺激します。痛そうに感じますが体験した多くの方は、痛みを覚悟して治療を受けたら拍子抜けすると感想を教えてくださいました。綿花を利用する班目式間接灸と同じく、経絡的な考え方で治療します。うっ血の多い部位を刺激すると出血します。初めはどす黒い色調の出血ですが、治療を繰り返すうちに鮮紅色の出血になります。最終的には出血しにくい状態になります。
気診治療について
”病気”の気とは?また、病は気からという言葉もありますが、気とはなんでしょうか?
気の実態こそ未だ不明ですが、気を治療に利用する事は可能です。小田 一医師(兵庫県加古川市・小田整形外科)の提唱する『気診治療』を行っています。刺絡や灸治療でも改善しない症状の改善がみられます。また、刺絡や灸治療の効果を増強する作用があります。リンパ球が少ない患者さんのリンパ球を増やす効果があります。 東京女子医科大学附属成人医学センターの職員の協力で調べた経験では、リンパ球の多い方にはリンパ球に関しては気診治療は影響がありませんでした。しかし、リンパ球が1,050個/μlだった職員では2週後には2,100個/μlまで増加しました。
治療 89巻、1492-1499, 2007年に報告
湯たんぽの使用
当クリニックでは、古くからある『湯たんぽ』を単なる健康器具ではなく、医療器具と考えています。 湯たんぽの日本最大メーカーである『マルカ株式会社』や、世界で唯一のウエットスーツ素材の 湯たんぽメーカー『ヘルメット潜水』、雑誌『通販生活』を発行している『カタログハウス』と共同開発を行い、より実用的な湯たんぽを製作してまいりました。 身体を温める事により、免疫機能が増し、様々な症状が改善されることが実証されております。 より効果的な使い方の指導を行います。
病気治療にはいろいろと工夫が必要です
湯たんぽを利用する場合には、身体の加熱する部位で効果が変わってきますので注意が必要です。 まず、よくない使い方の例です。 足が冷えるから足だけを湯たんぽで加熱するような使い方です。 足は局所的に温かく感じますが、温まった血液が下腿、大腿部から腹部そして心臓に戻る間に冷えてしまいます。 いつまでたっても冷えは解決しません。
どうするか?
身体を十分に温めるために、湯たんぽで加熱すべき部位は大腿部前面・腹部・臀部・上腕伸筋側です。湯たんぽを使うといっても、加熱する身体部位を変えると効果が変わります。ただし、気化熱のために冷えないように、発汗しないように加熱する必要があります。さらにいろいろな工夫が必要となることが多いのが実情です。細やかに指導しております。
[ 湯たんぽで加熱すべき身体部位 ]
- 大腿部前面
- 腹部
- 臀部
- 上腕伸筋側(力こぶの反対側)
かつて班目が湯たんぽを治療に使い始めた頃は、今のように湯たんぽが簡単に入手出来ませんでした。 そのため、2リットルのペットボトルにお湯を入れて、湯たんぽの代用とすることを勧めてきました。最近のペットボトルは壁が薄くなってきました。あまり熱いお湯を入れるとお湯が漏れる可能性が高く、今はもう勧めておりません。湯たんぽの使用をお勧めします。
湯たんぽをご希望の方は、お問い合わせフォームからご連絡ください。
1.お名前 2.お届け先住所 3.電話番号 4.ご希望の湯たんぽ名 5.個数 をお知らせ願います。着払いの宅配便でお送りいたします。
やわらか湯たんぽ 首用(小) 4,950円
やわらか湯たんぽ 目顔用 5,450円
やわらか湯たんぽ足用底なしミディアム 20,000円
湯たんぽ美人 6,600円
昼の湯たんぽ 腰用 6,600円
座布団タイプ湯たんぽ 12,700円
爪もみについて
自宅でできる治療法として、爪もみを勧めています。爪もみは故福田 稔先生の方法が有名ですが、当クリニックでは爪の生え際を刺激する方法ではなく、指全体を刺激する方法での爪もみを勧めております。この方法は言語表現が難しいので、受診時に実際に説明します。これまでは爪もみだけでリンパ球減少症は改善できない、とされていましたが、当クリニックの方法で爪もみを行うとリンパ球減少症も改善しております。
治療 89巻、579-582, 2007年
爪もみで大切なことは、手の爪もみだけではなく、足の爪もみを忘れてはいけないことです。この図は手の爪もみを5分間行ったあとで、足の爪もみを5分間行ったあとのサーモグラフィです。爪もみ前と比較しております。手の爪もみ後では下半身の温度にはほとんど影響がありませんでした。全身の血液循環を改善させることが爪もみの目的でもあります。従って、手だけではなく、足の爪もみを忘れてはいけません。 大切なことは爪もみはやれば効果がでるのではありません。効果がでるまで身体を刺激する必要があるのです。その目安は手首から肘付近の前腕部やふくらはぎ付近が温かく感じる程度まで刺激する必要があります。もともと身体が冷えている方はかなり時間がかかります。何回やればいいのか、ということは個人差が大きくてお答えできません。体調にもよりますので、この目安をクリアーしてください。このようなやり方を繰り返していると、爪もみの効果も長もちするようになります。